【ロンドン旅行記②】ただひたすらミュージアムをめぐろう! ~豪華絢爛 ナショナル・ギャラリー編~
世界のミュージアム入場者数ランキングで、3位の大英博物館についで4位にランクインする「ナショナル・ギャラリー」は、立地も大英博物館のご近所さん。歩いて20分弱の所にあります。
そのまま行ってもよいですし、私は途中の「コベントガーデン」というショッピングモールで開催しているマーケットの骨董市に寄り道しつつ移動しました。
ナショナル・ギャラリーは、ルネサンスのダ・ヴィンチら宗教絵画から19世紀ゴッホら印象派あたりまでの絵画を中心としたギャラリーです。(20世紀以降の現代絵画は、テムズ川を挟んだ対岸にあるテートモダンに分館)
所蔵品2300点以上の巨大美術館なので、誰もが知っている名画のオンパレード。
どれもこれも気になるところではありますが、やはり全て見るには膨大すぎるので、気になる展示品だけを見て回るつまみ食い形式でめぐります。
- 【ロンドン旅行記②】ただひたすらミュージアムをめぐろう! ~豪華絢爛 ナショナル・ギャラリー編~
- まずは公式アプリのダウンロードから
- ゴージャスな空間を堪能しよう
- まるで迷宮?とにかく迷うナショナルギャラリーの効率的な回り方
- グーグルバーチャルツアーで展示室をめぐってみよう!
- 私がビビっときた絵画たちを紹介(かなり主観)
- 【ミュージアムショップのお土産】絵画の世界観をグッズに展開
- 豪華絢爛ナショナルギャラリーの感想
- マイルを貯めてイギリスに行こう
まずは公式アプリのダウンロードから
こちらも大英博物館同様に、事前にアプリをダウンロードしていくのをオススメします。
大英と同じく主要絵画の説明と、お気に入り作品をまとめて順序よくまわるマイツアーの設定が可能ですが、日本語の機能はありません。
そのかわり日本語のオーディオガイドがあるようなので(2時間くらいで回る用)詳しい解説はそちらを活用しても良いと思います。
オーディオガイド
The Essential Guideナショナルギャラリーのオーディオガイドでは、当ギャラリーのコレクションから80点以上を紹介しています。
The Essential Guide 120 minutes 分のツアーでは絵画のハイライトを特集して取り上げ、英語、フランス語、スペイン語、イタリア語、ドイツ語、日本語、中国語(標準語)、ロシア語、韓国語、ポーランド語、ポルトガル語、オランダ語でご提供しています。英語によるテーマ別ツアーもございます。料金
大人:£4 (10人を超える団体の割引料金£2.00/人)
割引料金: £3.50
12歳未満の子供大人同伴の場合は無料
「ナショナルギャラリー」アプリ設定方法
ちなみに アプリのマイツアー設定が分かりにくかったので表記しておきます。
1.ホームの馬の画像をクリック
2.画像一覧でお気に入りの作品をチェック
3.画面上のfavoritesボタンをタップ
4.show itineraryボタンをタップ
これで始められます。
また、「Tourボタン」を押すと、ナショナルギャラリー特選のおススメ絵画をめぐるツアーを見ることもできます。
1時間、4時間、8時間と時間別に分けられているので、自分でお気に入り登録しなくとも、この通りに進んでいけば名画がチェックできます。
ゴージャスな空間を堪能しよう
ナショナルギャラリーはとにかくゴージャス!
まず入る前からギリシャ神殿調の威風堂々としたファサードの雰囲気に圧倒されます。
このファサードは大英博物館と似ているので2つを間違える人もいるかもしれませんが、入口を入った瞬間にその違いにハッとしました。
大英博物館が近代的なクールな大空間だったのに対し、こちらはエントランスホールからすぐに豪華絢爛な世界に包まれます!
コンパクトながらも細部までこだわりぬいた超装飾空間に、一瞬で目を奪われてしまいました。
NationalGalleryLondon - Spherical Image - RICOH THETA
私がヨーロッパの美術館に行くとまずキュンとするのが展示室の壁の色です。
日本だと恐らくどんな展示にも対応できるように無機質な色が多いのですが、西洋の美術館では結構派手めな赤だったり青だったり、更にそこにダマスク模様まで施されていたりと…、なんと華やかなんでしょうか。
ここでは展示室によって異なる様々なカラーの部屋を体験することができます。
ぜひお気に入りの部屋を見つけてみてください。しかしこのゴージャス空間に飾られても負けない絵画たちのパワーって本当にスゴイですよね。
まるで迷宮?とにかく迷うナショナルギャラリーの効率的な回り方
歴史を読むと、この美術館はかなりの増築増築を繰り返してきたとのことで、ここはまるで迷宮のようです。
きらびやかな展示室が、何部屋も何部屋も何部屋も..無限に続く(ように思える)ので、「今どこー?」状態になります。
いつのまに別棟に移動していたり、戻れなかったりもしました。
グルグルしない為にも、展示室ナンバーをよく見てマップと照らし合わせながら進むことをおススメします。
時代の流れとは逆のめぐり方にはなりますが、入口はいって右手側の展示室から反時計まわりにめぐるようにすると、最後に別棟(ここが一番古い時代)に入ることになり、鑑賞後は2フロア下のショップ(ここがメインのショップで大きい)で終えることができます。
グーグルバーチャルツアーで展示室をめぐってみよう!
現地でどう回ればよいか心配な方は、グーグルバーチャルツアーで館内をめぐってみましょう。
フル画面で見れば、”行ったも同じ”な感覚でギャラリーをめぐることができます。
ただし向かって左の別棟にある展示室51-61は見れません。
こちらにはメイン展示であるダヴィンチやヤンファンエイクの絵画が展示してありますので、ここはぜひ現地で堪能してください。
また、絵画の場所は常に変動しているようなので正確には公式HPの内容を確認しましょう。
このバーチャルツアーは超優れもので、丸ぽちのついている絵画はクリックすると解説を出してくれます。
更に左下の「GoogleArts&Culture」 というボタンをおすと、より深い説明のページにとびます。
The Ambassadors - Hans Holbein the Younger — Google Arts & Culture
ここで英語が読めない私は ページ下部のボタン「グーグル翻訳」をポチり、その文を読んで爆笑しました。
なんとこの「大使たち」という絵画の左の人物が、15歳 となっていたのです。
え?!このヒゲ面が?どんだけ発達してたん?!汗
と思いましたが 元の文章(英語)に戻って納得 29歳でした…。
何故数字が変わっていたのかは分かりませんが、翻訳版を鵜呑みにしない方がよさそうです…。
私がビビっときた絵画たちを紹介(かなり主観)
展示室4 ホルバイン「大使たち」
メイン展示のひとつで、二人の大使が棚を挟んで立っている肖像画です。
この絵は騙し絵としてとても有名で、正面に立つと2人の男性の下に流木のようなものが転がっていますが、絵画の右端(もしくは左下)に立って見るとこれが髑髏の顔に変化します。
人気の絵なのと入口近い展示室のため込み合っていますが、絵の周りをぐるぐる歩くと、その変化を楽しむことができます。
解説によると「右上または左下から見ると髑髏に変化することから、階段にかけられる絵ではなかったのか」ということです。ナルホド!
髑髏の絵は当時よく描かれたものらしく、「死はいつもあなたの側にある」というメッセージがこめられているそうです。
また、つい騙し絵に集中しがちですが、棚に並べられた物も様々な意味を表しているようです。
当時ヨーロッパは宗教改革がおこり、カトリックとプロテスタント派に大きく世界が別れようとしていました。棚に置かれたアイテムたちは、その世界の不和をそれぞれ表しているといいます。例えば下段に置かれたリュード(楽器)は弦が壊れています。算術の本は栞にはさまれ2つに分けられていますし、束ねられたフルートは不自然に一本飛び出ています。2つの楽器に挟まれたルター(プロテスタントの改革者)の讃美歌集は2つの宗教の調和への願いという見方がされているそうです。よーく見ると左上のカーテンに隠れてキリストの極刑像も見えます。キリスト教の世界がカーテンで2つに仕切られたということでしょうか?アイテムの中には二人の年齢や月日なども小さく描かれおり(※15歳ではない)、かなり見所がつまった絵です。
展示室22 レンブラント 自画像2点
レンブラントの34歳と63歳(没年)の自画像がむかいあって展示されています。
光の画家レンブラントがどのような人物だったのかを、若き日と死ぬ間際で比較して見ることができるという貴重な展示です。
その表情や姿はもちろんのこと、絵のタッチの変化も楽しめる展示でした。
特に瞳の輝きは印象的で、クリアに透き通り溌剌とした表情の34歳に対し、63歳の瞳は片方は黒く輝きを失い、もう片方も謎めいて見えます。
私にはまるでこの歳の自身の行方を暗示しているかのように見えました。
展示室32 カラバッジォ
レンブラント同じく光を描く画家として並べられるカラバッジオですが、レンブラントの優しい光とは対象的に、超劇的な絵を描きます。
この展示室にはカラバッジオらしい、暗闇の中でスポットライトをばっしばし当てたような絵が2枚展示してあり、とてもエネルギッシュなパワーを感じることができました。
私は特に「エマオの晩餐」が気になったのですが、 中央のフルーツの皿が少しテーブルから手前にはみ出してクロスに影を落としていたり、右側の男性(イエスの弟子)の左手がぐんと手前に伸びていたりと、この辺りの構図が今の3D映画のような効果を生んでいるように見えました。
もしかすると強烈なライティングに加え、物や人物が飛び出してくるような構図にすることで、更にドラマティックな世界観を描こうと試みたのではないでしょうか。
レンブラントの絵は、じっと見てると今にも動き出しそうな暖かさ、人間のリアル感がありましたが、 カラバッジオはリアルな描写力(肌、布、金属など素材感の描き分けも凄まじく)に対し、全てが止まっているように見えるのが不思議でした。
私は絵の続きを想像して見るのが好きなので、カラバッジォの作品によって改めてレンブラントに惹かれる理由が分かった気がしました。
展示室43 ゴッホ
「ひまわり」ほか あまりに有名なゴッホのひまわりですが、やはり実物は絵具ののりかた、筆の流れのボリューム感など 写真で見るのとはド・えらい違いでした。
この肉厚な感じさ故に、何といっても絵から発するパワーが凄いんです!
ゴッホの作品は原画を見る楽しさを最も感じられる画家の一人ではないでしょうか?
「ひまわり」は実は何枚も現存しているのですが、な、なんとその中でもほぼ同じ構図のものが日本興亜損保美術館にもあるので、新宿でも見ることができるようです。
なので、ここではゴッホのひまわり以外の絵にも注目してみるとよいと思います。
ちなみに展示室43・44は、モネ、マネ、ルノワール、スーラ、ルソー、ゴーギャン、ゴッホたちによる名画のオンパレード、まさにアベンジャーズ状態の展開がされています。
こちらの部屋を見るだけでもかなり見応えがありますよ。
展示室60 ヤン・ファン・エイク 「アルノルフィーニ夫妻の肖像」
裕福な商人と妻の結婚を表す肖像画です。
想像よりも小ぶりな絵でしたが、細部の描き込みが素晴らしく、部屋に散らばる小さな小物のひとつひとつが明瞭で見事な質感に描かれており、とても見応えがありました。
妻のお腹が膨れているのは妊娠を表していると思っていたのですが、これは妊娠説と当時のファッション説と2つあるようです。
奥の鏡には作者のヤン・ファン・エイク(ともう1人)がうつっているとのことですが、あまりに小さくてよほど近寄ってみないとわかりませんでした。
ルーペを持参すればよかったかも。
ここらへんもアプリでは(解像度は低いですが)絵を拡大して見ることができます。
また、公式HPで紹介されていたこちらのページでは、ナショギャラの名画たちが、かなり高解像度に拡大図で見ることができます。こんなに細かく描かれていたのか!と改めてビックリしました。
https://canvas-story.bbcrewind.co.uk/sites/national-gallery-and-the-renaissance/
【ミュージアムショップのお土産】絵画の世界観をグッズに展開
ナショナルギャラリーのミュージアムショップは、とにかく奥様ウケしそうなグッズがたくさん!
絵画のプリントがされたスカーフや、アクセサリー、Tシャツ、バックなどなどメイン絵画が恐ろしいほどにグッズ展開されてます。
その中でも気になったものをご紹介します。
おうちで名画を縫おう!ステッチキット
Sunflowers Cross Stitch | Gifts | National Gallery Shop
簡単に誰でも刺繍で名画を描けるステッチキットです。刺繍好きにはたまらん品なのではないでしょうか?
ナショギャラの様々な絵画に展開されており、選べる種類が豊富なのも嬉しいところ。
刺繍の暖かな雰囲気が絵にあってるような気がしますし、完成するまでの時間も楽しみになる一品ですよね。ただし結構びっくりなお値段です…。
雨の日も名画を空にかかげよう、折り畳み傘
The Water-Lily Pond Mini Umbrella | National Gallery Shop
こちらも様々な種類がありました。折り畳み傘なのでお土産にも持って帰れますし、雨の多いイギリスですから、現地で使う用にもよいのではないでしょうか?
旅行中の雨は本当にガッカリですが、この傘をさせば気持ちも明るくなるかも!?
豪華絢爛ナショナルギャラリーの感想
大英博物館に比べるとナショナルギャラリーはコンパクトでまわりやすい美術館でした。(あくまで比べると ですが)
しかし
大英→マーケット→ナショナルギャラリー
と進んできた私は、ここで一度疲労により心が折れそうになり、とりあえずギャラリーのカフェで茫然としながらお茶をすするという時間が必要となりました…。
でもギャラリーにいる間は本当にテンションあがりっぱなしで、非常に有意義な時間を過ごすことができました。
この豪華さはここロンドンでしか味わえない感があります。
歩けども、歩けども美しいものしか目に入らない。そんな場所ってなかなかないですよね。
また、来場者は多いですが、空間が広いのでゆったりと見て回ることができます。
日本で名画を見るには人の頭を見に行くような思いをしなければいけませんが、ここでは一つ一つの絵画との対話を楽しむことができました。
これが無料って、ロンドン市民は本当に羨ましい限り…。
この記事を書いた人:ウスシオ(管理人ninakeruの妹 )
姉と同じく陸マイラー。
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